小さな子どもを持つママたちにとって内職とは

 私たちが内職をお願いしているママさん達は実際に何を感じながら手仕事をしてくださっているのか。私たちは内職をお願いすることでママさん達に何を提供できているのか。3名の製作者の方々に実際にインタビューしてみました。

渡辺さん(30代)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これまで受けたお仕事を教えてください。

イストワールさんのハートポーチ、サキポン、MERRYソックスさん、ボディショップさんのお仕事です。

 

どのような経緯で内職をすることになったのでしょうか?

元々やっぺすさんから内職を受けていた方から誘われて入りました。

 

実際仕事をしていて何か感じたことはありますか?

やっぺすさんからの内職を受ける前に他の内職をしたことがあったのですが、単価が安く、収入もそれなりにしかならなかったので続けられませんでした。色々な仕事があるんだなと率直に思ったと同時に、内職はやはり賃料がとても低いので続けられる内職を提供してくださる企業様は本当に素晴らしいと感じています。

 

仕事をしていて大変だと思ったことはありますか?

数が多く来たときは大変でした。けれど、それを納品しきれたときの達成感や充実感は一般的な内職では味わえないものだと思います。

 

ママとして内職について思うことややっぺすからの内職について思うことはありますか?

小さい子供がいて働きに出ることが出来なかったので、家で出来る内職というお仕事は必要だと感じています。また、大変さもあったけど、色々な手仕事を経験できて楽しさを感じることもできています!

 

社会にとって内職(手仕事)は必要だと思いますか?

内職は必要だと思います。加えて、社会的には「副業」というイメージが強く続けられるような内職が無いので、内職の必要性などから続けられる手仕事をもっと多くのママさん達に提供できる社会があればいいのになとも思いました。やっぱり子供が小さい時は外で働くのが難しい人もいるし、それでも内職による収入は大きいので。

私は、来年1月から下の子が幼稚園に入ることになり、手も離れるのでパート探しを始めます。

仕事が決まってからも、内職は続けたいと思っています。手を離れるとはいえ子どもとの時間は大事にしたいので長い時間の勤務は難しいし、給料もそんなにもらえないかもしれないからです。家庭を担う母親として、少しでも収入に貢献したいと思っています。

 


横田さん(20代)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これまで受けたお仕事を教えてください。

 元々コワーキングスペースでアルバイトをしていました。出産前に辞め、内職をすることになりました。出産前はSAWASAWAさんのヘアバンドを、出産後現在はイストワールさんの値札下げとMERRYソックスさんの手仕事をしています。

 

どのような経緯で内職をすることになったのでしょうか?

元々仕事人間で、ゆっくりすることができないんです。(笑)

出産後、育児の合間に何か仕事をしたいと内職に申し込みました。

 

実際仕事をしていて何か感じたことはありますか?

手仕事をくださる企業様、機会を与えてくださっているやっぺすの皆さんへの感謝を感じています。

先ほども言いましたが、昔から暇があるなら何かをして手を動かしていたい方なので、内職があることがとってもありがたいです。

 

仕事をしていて大変だと思ったことはありますか?

子どもが寝ている間しか内職が出来ないので、それが大変です。内職といえど立派なお仕事で、ひとつひとつ最高の状態で納品したいと思っているので...。

 

ママとして内職について思うことや、やっぺすからの内職について思うことはありますか?

多くのママ友から内職を紹介してと言われるので、やはり小さな子どもを持つ母親たちには必要な仕事だと思います。こうしたお仕事の中でただ納品するのではなく実際に企業の方とやり取りができることも自信につながっています。やっぺすの内職は最高です!

 

社会にとって内職(手仕事)は必要だと思いますか?

必要だと思います。育児中は外に働きに出られないから、家で出来る内職をしたい人は多いと思います。


松川さん(30代)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現在受けているお仕事を教えてください。

イストワールさんの値札下げから内職を始め、王様ブローチ、アズボヌールさん、ボディショップさん、MERRYソックスさんの内職を担当しました。

 

どのような経緯で内職をすることになったのでしょうか?

やっぺす人材育成スクールの1期を受講し、そこで知り合った方からイストワールさんの値札下げの内職をやらない?と声をかけてもらい内職を始めました。その後、仮設集会所でブローチのワークショップに参加させて頂いたりもしています。

 

実際仕事をしていて何か感じたことはありますか?

元々細かい作業は苦手だと思っていたのですが、自分にもできたときはうれしかったですね。

完成した時は達成感を感じます。

 

仕事をしていて大変だと思ったことはありますか?

ミスをしてやり直しがあるときは大変ですが、自分の作業の甘さも痛感させられ次はより良い納品をと考えています。

 

 

ママとして内職について思うことや、やっぺすからの内職について思うことはありますか?

小さい子どもがいる中で内職は時間の融通がきく仕事なのでとても助かります。下の子どもが(幼稚園の)年長になるまでは、家庭を優先にしたいと思っています。なので、まだ外に出る仕事と家庭の両立は難しく、内職がとてもありがたいです。

 

社会にとって内職(手仕事)は必要だと思いますか?

はい、必要です。また、その賃料について、自分のような環境の人が他にもいるはずで、子どもが小さく外に出ることのできない一般的なママ達は収入を得られないのは何故だろうとも思います。


担当者編集後記 担当者/松坂

 

私がおうち仕事事業を担当して早くも4年が経過しました。

私自身ママで、お仕事の内容も様々でそれぞれに対応する苦労もたくさんありましたが、内職製作者であるママたちとの交流や、納品を終えたときの達成感がその苦労を吹き飛ばしてくれます。

 

さて、今回製作者のママたちにお話を聞く中で一番感じたのは「内職仕事における必要性と社会における拭えない副業感」です。

弊団体で請け負う内職は、企業様に目的をご理解いただいていることで、一般的な内職の給料よりも単価が高いのが特長です。その点ではママたちのやりがいになっていたと感じています。しかし、多くの内職仕事はそれ単体ではとてもじゃないが収入の足しにもならないというのが見えました。

そして、内職は乳幼児期の子どもを持つママたちにとってとても重要な役割を持つということ。現在石巻では震災の影響による生活再建収入を求めているママたちはもちろん、保育園に申し込んでも中々入れずに外で働くことが難しいママたちや、子どもと過ごす時間を大切にしたいというママたちからの内職希望の問い合わせは多いです。

しかし、やはり内職仕事自体の変動が激しく、更に新しい内職者を雇用するのはなかなか難しい現状も実際に起きています。

 

〜「内職」はただの副業ではない。育児の副業として確立される可能性を秘めている〜

私たちママにとって一番の仕事は何か。それは子どもを守り育てていくこと。しかし家系的問題や保育所問題などの現実もある。その為に「内職仕事」が一つのキーワードになってきます。内職は社会的には副業の烙印を押され果たして仕事と呼べるほどの意義と保証のあるものになっているでしょうか?

「子どもの寝顔を見ながらできる仕事」「大きくなってきて私もやってみたいと子どもと一緒になって家でできる仕事」私は内職を素敵な仕事であると思っています。

また、弊団体における内職仕事は、ママ友とはまた別なつながりを持つ機会、納品や実際に企業担当者とのやり取りなどで社会参画を得る機会などを創出しており、ママの居場所づくりも推進しています。

 

育児という目的と現実との境界線上にいるママたちにとって非常に必要とされているこのおうち仕事事業をこれからも続けていくため、私も改めて尽力していこうと思いました!

 

取材にご対応くださったママたちに感謝を込めて、編集後記と致します。